小林だけどあまね

インプラントに関する情報は多く出回っていますが、利用を検討するにあたり、多くの方が心配されるのが、術後の腫れではないでしょうか。この点は、歯科医の技量や、治療後の口内ケアの良しあしや、その時の体調にもよりますから、誰にでも当てはまることではなく、人と状況によりけりなのです。

担当医の指示通りに痛み止めを服用し、患部を冷やすなどの処置で痛みが引く場合が多いですが、それでも痛みが引かない場合や、痛みが強すぎる場合などは、担当の歯科医にすぐに相談しましょう。インプラントは、人工歯根、アバットメント、上部構造などいくつかのパーツを組み合わせて行います。全てが同じ構造ではなく、各パーツの構成により複数のタイプに分類することができます。

骨に埋め込む歯根部と、義歯を装着する支台部が一体になっている1ピース・インプラントと呼ばれるタイプと、これらが別パーツになっている2ピースタイプがあり、こちらの方がメジャーです。
この2ピースタイプはさらに、人工歯根にアバットメントを接続する部位の形で、凸面(エクスターナル)タイプと、凹面(インターナル)タイプという二つの形式があり、接続が簡単なインターナルタイプの方がシェアが多くなっています。歯科治療とは言え、インプラント埋入手術の後は、手術箇所が落ち着くように、安静に生活を送ってください。普段よりも静かに過ごすようにして普通の生活を上回る強度の運動は当分控えてください。


傷口に負担がかかり、ふさがりにくくなる場合もあるのです。日常的に運動を続けている方なら、運動をいつ再開すべきか、歯科医と確認しておけばベターです。
大きな効果を得られるインプラント治療ですが、そのマイナス面も知らなければなりません。


第一に、費用は他の歯科治療より高額です。



高額のケースでは、数十万円必要になることもあり得ます。それから、治療が失敗すると、場合によってはかなり深刻な問題が起こることもあるリスクも背負っています。ごくまれなことですが、患者の死亡例も実際にあります。一口にインプラント治療といっても、3つのハードルを越えなければなりません。


一番に歯茎の切開、あごの骨へ人工歯根を埋入、あごの骨や周辺組織と人工歯根がなじむのを待ち、固まったことを確認してから、三番目として、歯根にアタッチメント(連結部分)をはめ込み、その上から義歯をかぶせて完成というのが大まかなプロセスです。

どこに時間がかかるかというと、インプラントの埋入後、周りの組織となじんで骨に結びつくまでで約2ヶ月から6ヶ月見ておかなければなりません。
仮歯を取って、義歯を入れるのをゴールと考えると、治療開始から全部で3ヶ月から10ヶ月かかることを覚悟しましょう。



欠損した歯が少ない場合、治療としてはインプラントとブリッジが考えられます。
そもそもインプラント治療とは何かというと、あごの骨に開けた穴にインプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込み、その上に義歯をつけます。ブリッジ治療では、橋桁状の義歯をつけるために、両側の歯を支柱のように削り、上からブリッジをかぶせるのです。治療後、一見した感じでは、どちらかというとインプラントが優るというべきでしょう。
ブリッジ治療では、両隣の歯は橋の支柱のように削ることになるという辛さもあるのです。

インプラント治療の問題点を皆さん、入念に調べたと思います。その情報の中に、インプラントを埋め込んだ人は、頭部MRI検査は不可という説があったのではないでしょうか。それは本当のことではありません。MRI検査とは、身体に磁気を当てて画像を作ることです。金属に反応すると、画像は乱反射のように見えます。インプラントの場合、あごに埋まる部分はチタンかチタン合金なので金属といっても磁気には反応せず、MRI検査への影響はありません。インプラント治療を始めるとき負担に感じるのは、高額な負担を覚悟しなくてはならないことでしょう。
ほとんどのケースは保険適用外で、全面的に自由診療になることが普通であるためインプラントを何本埋め込むのかや、どんな材料を選ぶかによってかなり費用が違うことも確かで、どの歯科医院を選ぶかによっても思いの外費用は違ってきます。


治療が終わっても、ずっと定期検診があるという点にも注意が必要です。長い期間と費用をかけたインプラント治療は、治療後も快適な状態を維持するために不断のケアが求められます。日頃から丁寧に歯みがきを行い、プラークコントロールは欠かせませんし、歯科医の検診を定期的に受け、歯科医や衛生士に指導してもらう必要はずっと続きます。人工物のインプラントでも、普段のケアができなくなると歯周病になることは珍しくありません。ごく普通の歯科医院で、外来診療を受けてのありふれたケースのインプラント治療も当然、院内感染のリスクはゼロではありません。その点を踏まえ、歯科医院選びのときに、感染症対策についても調べ、納得した上で決めることが、命に関わる大事な問題です。

感染症対策は重要な問題なので、その取り組みについてホームページ上で具体的に示している歯科医院もどんどん増えているので、真っ先に見ておきたいところです。